心拍数の計測解析
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1. 心拍数
私たちは生きる為には酸素や栄養素が必要である。これらは血液によって運ばれている。この血液を体中に巡らせる為のポンプが心臓である。心臓が1分間に血液を送り出す回数をカウントした数値を指す。運動をすると、筋肉が酸素を大量に必要とするために、心臓は平常時より活発に動いて多くの酸素を含んだ血液を送り出す。そのため運動の程度によって心拍数は変化する。
脈拍数は当然のごとく緊張・驚きといった状態のときや運動したときに増加する。増加すれば体力が減り苦しい。また、体感温度により心拍数が増す。そのため、ただでさえ重労働の農作業に加え、夏場にハウスの中での作業というのは大変苦しいものとなる。
1分あたりの心拍数 ふだんあまり運動をしない人 80〜90 毎日ウォーキングをしている人 60〜70 長距離選手やマラソンランナー 40〜50
シマリスなどの小動物は非常に早く、320〜400。ハツカネズミともなるとなんと安静時でも600にまでなる。一方、ゾウのような大型動物はといえば、20前後とヒトよりもかなり少ない。どうやら心拍数は体重に比例するようである。そして心拍数は寿命にも関係しているという。生涯心臓の拍動する回数は大差がないらしく、動物の場合約15億回程度、ヒトの場合はもう少し多くて、20〜25億回といわれている。つまり心拍数の少ないほど長生きということになる。
2. 測定方法・計算方法
手首や首の静脈を指で軽く押さえて脈拍数を数えるのがやりやすく簡単な方法がある。
1)運動時の心拍数を測るには:運動直後〜1分以内に測る。
2)安静時心拍数を測るには:15分以上、安静にした状態から測る。
i)左手の手首の内側にある動脈(親指から下に手首まで下ろした位置)に右手の人差し指と中指を当てる。
ii)時計を見ながら、脈がドクドクと打つ回数を測る。
iii)測った回数を4倍した数値が、心拍数になる。
3. 最大心拍数(最高心拍数):
心臓が精一杯働いた時の心拍数。「220−年齢」または「204−(0.69*年齢)」で求めることができる。
しかし、これはあくまでも、目安であって自分の健康状態、体調に合わせて運動するのが好ましい。
4. 作業強度
作業強度={作業中の心拍数−安静心拍数(拍/分)}/{最大心拍数−安静心拍数(拍/分))*100%
5. 心拍数を上げないで作業するための人間工学
高齢化が進む中で心拍数の問題は重要になってくると思う。心拍数を減らす(重労働を減らす)ためいろいろな機械が開発されている。例を挙げればトラクター。最初はくわで畑を耕していたが(役畜など省略)それに代わりトラクターが開発された。これだけでかなり心拍数が減少した。さらに、最近クーラーのついた物や音が静かで音楽が聴けるもの、ハンドルが軽い等、快適に農作業ができるトラクターが開発された。今後、高齢化が進む農業事情の中、きつい仕事ができないお年寄りにとって大変快適な作業ができる時代になっている。
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解析ソフトとデータ処理
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( 心拍計測ソフトの実演を行い、データ処理・図形作成をエクセルで行う。 )
1. 心拍解析ソフト : Polar Precision Performance
ソフト :
DATA 01 データ1(txt) データ2 データ3
DATA 02
2. 心拍計測機器の概要
1)Polar S810
2)センサー
3)PCとの接続
4)データ処理
3. 計測・解析方法
1)安静時心拍数
2)作業時心拍数
3)心拍増加数・平均心拍増加数
4)心拍増加率
5)積算心拍数
6)心拍変動率(R-R計測)
4. 計測・解析例
例009(エクセルにtxtデータを読み込んだもの)
5. 課 題 9 : 上記の心拍データをダウンロードし、例009にならって、データ解析を行う。